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続・亡霊(ファントム)たちの宴18

守る側の熱意と、守られる側の無関心

 興奮醒めやらぬ3人が、続いて連れて行ってもらったのは隊員食堂。あらかじめお願いして申し込んでいたものだ。この日のメニューは、メインが「うどん」か「ソバ」で、どちらかを選択できる。ドデカイお揚げさんが、二つ折りにされて上に覆い被さっている。これにご飯と、他には手羽を炊いたもの(1人3個まで)やサラダなどが付いて、なかなかのボリューム。
「ステーキとかの日じゃなくてすいません」
 なんて申し訳なさそうに言われたけど、いえいえとんでもない、もう十分に満足まんぞく。

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 食後の午後一番には、DIさんの引率で防府南基地へと連れて行ってもらった。ひっちさんからの情報で「お土産を買うには、北基地の売店よりも南基地の売店の方が種類が多い」というので来たわけだ。このためだけに飛行服から制服へと、DIさんをわざわざ着替えさせてしまったのと、南基地に着いた時間が、ちょうど売店が今からお昼休みに入ろうと店を閉めようとしていたところだったわけで、これをDIさんが無理を言ってくれて、ぼくらのためにまた開けてもらったりなんかして、非常に申し訳なく思った。ぼくらは無事お土産を手に入れてニコニコしたのだけれど、このように他の人に負担をかけるようなことは次からは気を付けないといけない。1度くらいなら無理は利いても、何度も続くとしんどくなるし、せっかくの良い関係が壊れたりしたら悲しいからね。

 充実した基地見学も最終コーナーを回り、ぼくらはまた第2教育隊のソファに座っていた。このころになると次第に図々しくなってきて、深々と腰掛けたりなんかしちゃうようになっちまってて、順応力が高いのか、ただ厚かましいだけなのかの判断は第3者に任せるとしても、物事には始まりがあれば必ず終りがあるんだし、ぼくの頭の中には帰り道の段取りなんかがよぎるようになっていた。ちょうどそこへ通りかかったのが第二飛行教育隊長のK林さん。そしてぼくらはK林さんの熱い魂にふれることとなった。

 先に断っておくけど、今からここに書くことは決してK林さん(他の人たちも含めて)の考えでは無いっていうことは判っておいてほしい。世間一般の話として色んな考え方や気持ちは聞いたんだけど、そんな話を聞かせてもらった上で、ぼくが思ったこと・考えたことなんで、誰かのストレートな話では一切無い。まあ、有り体に言えば、K林さんに、話してもいないことで迷惑をかけるわけにもいかないから、先に断ったっていうだけのことなんだけど、最近っていうのは、大声を出す奴とか、きれい事を振り回す輩ばかりが大手を振って闊歩する時代だから、何かにつけて面倒くさいってわけだ。
 前置きが長くなったけど、日本には国際社会の一員としての再軍備をどうするかという話合いが、もはや避けてとおれない問題となってしまっているのだと実感した。いきなり結論だと、唐突すぎて「こいつ馬鹿じゃねえの」なんて思われたかもしれないけれど、まあ順番に説明していくからもう少し待ってね。
 判りやすく言えば、今の日米安保っていうのは、会社を守るのに警備員を雇っているようなものだってこと。とりあえずアメリカっていう警備保障会社にお金を払って守ってもらっている(ここまで単純な問題じゃないっていう議論は、とりあえず置いとくとして)んだけれど、実際問題としてこの警備保障っていうシステムが機能するためには、それを上回る別のシステムが有って初めて成立するんだよね。
 つまり、〇〇警備保障っていう会社に警備を頼むとした場合、彼らが具体的にどこまで行動できるか(あてに出来るか)ということを考えると、一般社会で言えば、左翼思想を持った方達の言うところの「国家の暴力装置」である警察っていう強大な権力を持ったシステムの存在を抜きにして、警備保障会社は意味を為さなくなる。警察っていうのは、全般的な治安保障っていう意味はあるけれど、個々にまではとても365日行き渡っていないから、それを補うっていう意味(個別に守って欲しいっていう意味)で警備保障が成立するわけだ。つまり、警察の存在無くして警備保障会社は存在しないってことになる。
 この話が総て(=として)自衛隊にも当てはまるとまでは言わないけれど、ちゃんとした法的根拠に基づいた自衛隊であり、その上で在日米軍っていうことを考えないといけないわけなんだけれど、警察に与えられた実行力(法的根拠)に匹敵するものが備わっていなくてはならないのに、その辺りがあやふやなまま今度もまた海外へ(ソマリアの海賊の話だ)出そうとしている。政治家は何を考えているのか?こんなことも気付いていないのか?
 決して気付いてないって事は有り得ない。…となれば、自ずと答えは見えてくる。
「既成事実を作ってしまってから議論すればいい」
 これはぼくの勝手な妄想だけど、そんなにピント外れじゃあないはずだ。
 海外派遣にあたって法律を整備するよりも、現実問題として起こってしまった事実について議論した方が遙かに簡単だからだ。予想される問題について、~たら~ればの話を積み上げていくよりも、実際に自衛官を危険な目に遭わせてから(もっと言うなら、政治家とすれば何人か犠牲になることがあっても仕方ない、できるだけ派手にドンパチやってもらえれば、後は何人かに引責辞任させるっていうことで話が前に進む)にしようという魂胆がミエミエで、本当に政治家っていうのは汚いって思う。

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