« 続・亡霊(ファントム)たちの宴25 | トップページ | 続・亡霊(ファントム)たちの宴27 »

続・亡霊(ファントム)たちの宴26

防府北基地航空祭 その4  

 スタートが早かったから、夜10時くらいにはよゐこでホテルに戻っていた。翌日も「渋滞したらいかんき、6時半に出よう」なんてひっちさんにネジを巻かれていたし…てなわけで、やれやれ、6時前に起きてシャワーを浴びてから出発する。う~ん、朝一番の爆音で目覚めていた「やすらぎ」が懐かしい。田島門側の草地の駐車場に並んで開門を待つ。メイド服を着た不思議なパン屋さんが開店の準備をしている。その突き出されたおしりの先で、ひらひらしているスカートの端を眼で追いながら時間を過ごそうとする「ふ~ん、航空祭によって色んな違いがあるんだ」でも、間もなく飽きる。何もすることが無いんで、ただひたすらうだうだと時間を潰す・つぶす・潰す…。そしてやっと開門、誘導に従って滑走路の近くに車を駐め、そして会場目掛けて歩いていく。「ここは新田に比べれば近いですよ」とDIさんに言われたとおり、これなら歩いても半分くらいだ。でもやっぱり、帰り道はひどい渋滞なんだろうな。
 そして飛行教育隊?の建物に手続きを済ませて入り、皆さんに昨夜のお礼を言ってから特等席の屋上に上がる。そして思う。あれ?寒い。今日は天気になるはずなのに?と見上げた空にはどんよりと厚く低く雲が垂れ込めている。まだ朝早いし、そのうち気温も上がってくるさと、根っからの脳天気野郎は軽く運動して体を温める。
 やがて4機のT-7が優秀な低騒音のエンジンに包まれて、さらにバラバラバラとヘリが飛んできてオープニングフライトが始まる。T-7が華麗に機動飛行?を披露して、さあお待ちかねの10機のT-7による編隊飛行だ。天気はまだ回復しておらず、けっこう冷たく強い風が吹いている。井Uさん頑張れよと祈るような気持ちで見守る。ジェット機のような轟音が鳴り響くわけどはないから、編隊飛行といっても本当に静かだ。ブーンという耳の奥に残る余韻のような、粛々とした威厳に満ちた飛行だ。威風堂々なんていう言葉は、このためにある言葉なんだなと実感した。

 遠くの方でブワーンという工事現場のような音が鳴り響いている。見渡すと戦車(これって特車って言わなくちゃいけないんだっけ?)が唸りを上げて走っている。へーえ、後で見に行ってみよう。それにしても寒いな。5月も末になると、昼間に長袖が必要だなんて思わない。少なくともぼくが育ってきた環境ではそうだった、だから当然半袖シャツしか持っていない。我慢しよう…でも寒い、やっぱり寒い、我慢できない~えーい仕方ない下の出店へ行って何か上に羽織るものを買ってこよう。ついでに戦車も見てこよう。
 そしてちょうどのシャツを見つけた、軍物の厚手のシャツ1900円。よしよし、これでもう寒くないぞ。
 …でも幸せだったのは一時だった。
 初めて見るエアーロックの曲芸飛行に口をポカンと開けて見ていると、あれ少し天気が回復してきたみたいだな、青空が見え始めたよ。よしよし、ラッキー。しかし天気は、本当に急速に回復し、午前中の寒さは何だったんだっていうくらい暑くなった。ぼくの手には、今はもう単に場違いでお荷物でしかない、厚手の軍物シャツ1900円が残された。たぶん高知に戻っても、この先また冬が訪れるまで着ることは無いであろうこのシャツ、怒りの鉾を向ける先が無くて、ぼくは教官室でお昼のお弁当を頂きながら相手かまわず当たり散らすこととなった。もちろんみんな爆笑していたんだけど。

« 続・亡霊(ファントム)たちの宴25 | トップページ | 続・亡霊(ファントム)たちの宴27 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1007465/30362673

この記事へのトラックバック一覧です: 続・亡霊(ファントム)たちの宴26:

« 続・亡霊(ファントム)たちの宴25 | トップページ | 続・亡霊(ファントム)たちの宴27 »